煉獄篇 (Purgatorio)、読み始めました! 8月上旬から読んでいる、ダンテ「神曲」は、地獄篇 (Inferno) が終了して、いよいよ、天国でも地獄でもない、リンボーの世界です。 煉獄篇 (Purgatorio) の英訳は、Stanley Lombardo です。こちらの翻訳家の方が地獄篇 (Inferno) の Allen Mandelbau より読みやすい感じがします。 地獄篇 (Inferno) は、アメリカの高校・大学と必須授業で教えてもらえますが、煉獄篇 (Purgatorio) 天国篇 (Paradiso) は、地獄篇 (Inferno) より人気がないので、教科書の種類も少なく、しかもお値段がちょっと高かった! 今回も、イタリア語と英語翻訳の両方書かれている本を購入しました。 地獄篇 (Inferno) と比べると、アクションが少なく、今のところ、一番のエキサイトは、ダンテにしか影がないくらいでしょうか。 生きている体を持っているのは、ダンテのみなので、皆さん、ダンテの影に興味深々です。 Conor Hultman さんが、GLYPH のリビューを書いてくださいました。ありがとうございます。 冒頭の5行すごい始まり方だなと、ただただ恐縮するばかりです。 Guillaume Apollinaire (French poet, 1880-1918), Kenneth Patchen (American Poet, 1911-1972) と比べていますが。良いのですかねえ? 上記の写真は、Guillaume Apollinaire の作品です。 詩の改行を、鳥の羽のようにしたりしながら、全体の形を作っていきます。現在も下記の写真のような 現代版カリグラフィー詩は出版されていて、 フィリピン系アメリカ人の Vince Gotera さん などが発表されています。 個々の言葉の長さを選んだり、改行の仕方が難しく、高テクニックを要しますが、私はちょっと「オールドファッション」ではないかなと思うのです。 19世紀からたくさんの詩人が挑戦しているので、見新しくないというか。高テクニックで制作に時間がかかるわりに、現代読者にスルーされる感があると思うのです。 Kenneth Patchen については、Impose とPoetry Dispatch が特集しています。 Jazz Poetry や Picture Poetry と呼ばれる詩のジャンルで、書いてある言葉がけっこうシンプルです。詩の要素(改行や詩言葉)が少なく、現代アート系というか、ポスター系というか、絵を重視しているような作品が多いです。 今回の、Conor Hultman さんのリビューでは、グラフィック・ポエトリーを "A new type of poem" と評価していただきました。 そうなの!私のグラフィック・ポエトリーには、改行があるの! ご理解ただいて、本当にうれしいです。 その改行の一部は、"line-break hyperawareness" と名付けています。詳しくは、Kristina Marie Darling さんとのインタビューでお話しています。 今日は、Angela Narciso Torres さんが出演したポットキャストの放送がありました。 Bull City Press の編集長さん達がお届けする、20分くらいの番組ですが、私の名前が3回も出てきて、まさしく、biased media coverage ではないかと! "She is a queen of chapbooks" とおっしゃってくださって、どうもありがとう。 めっちゃ嬉しいです。 Queen の称号にふさわしくなれるよう、これからも励んでいこうと思います。 RHINO Poetry Reviews - the 4th Graphic Issue も発表されました。 今年で4年目になり、またまた素晴らしい作品が集まりました。一緒に作り上げてくれた詩人達に大感謝です。 毎年、文章+アートともに創造できる参加者を探すのは大変なんですよ! Rhino Poetry は毎月、新刊詩の本をリビューしています。9月は、グラフィックリビューとして、絵付きで本を批評する、ちょっと変わった試みです。 しかし、だんだん、現代美術の要素が深くなってきて、本の批評というより、読書中の詩人の頭の中を作品化した、展示会のような感じでしょうか。見ごたえのある作品ばかりですが、リビューが抽象的になりすぎているかもしれません。 したがって来年は5周年記念もかねて、初めて、ゲストエディターに参加してもらいます。私が集めるリビューとはまた違った雰囲気になるのではと期待しています。 そして最後に、ダンテ「神曲」34詩、読み終えました。
「そして星が見えてきた」 という、最後の行は、ただただ美しい。 それと同時に、これが、cliché の起源ですかっ!とひとり突っ込んでしまいました。 |
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June 2024
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