小倉百人一首を英語に訳し始めてしばらく経ちます。 現代詩の要素を取り入れ、和歌の英語で訳しにくい部分を、どう伝えていくか模索中です。 過去の記事、「百人一首、新しい翻訳のプロセス」を読んでいただけると、翻訳のプロセスをもっとご理解いただけるかと思います。 先週、The Arkansas International (@thearkint) のインスタライブで、和歌翻訳を読みました。 花の色は うつりにけりな いたづらに この和歌の一番好きなところは、「花の色は」が字余り(第一句が六音節の字余り)なところです。 字余りが、むなしい感(恋の悲哀、時とともに容姿の衰え)を強調しているようで、同じ女性として、小野小町の気持ちが共感できます。 では! この、字余り、どうやって英語で表現していこうかと考えた結果。 「白い空間」を使って、むなしさ感、空虚感を追求してみました。 These petals, ーーーーーyouthーーーonly passing as I think of you 緑色ダッシュで表示した、「白い空間」は2つ意味を持たせています。 #1)字余りが見せた、小野小町の感情。 #2)若さ、時間の経過。 「白い空間」の微妙な間で、youth(若さ)が漂っている感。 そのあとの、「ながめ」(物思い&長雨の2つの意をかけている)は、桜の時期に降り続く長雨、日本の菜種梅雨の季節は、花が散り、ぼやっと新緑がかすんだ景色を思い浮かべて描写しています。 インスタライブでもお伝えしましたが、最近、翻訳家の仕事の意味を再度考えるようになりました。 翻訳機能、オンライン機能は、日に日に改善されています。 だいたいの意味、要約は、外国語が読めなくとも、雰囲気はつかめるようになってきました。 しかも、20世紀に入り、英米学者、翻訳家たちは和歌の翻訳を発表しています。オンラインリサーチで、簡単に読めますし、和歌の歴史もすぐわかります。 しかし昔の翻訳は、直訳が多く、小野小町が、なぜ、最初の句で字余りを目指したのかという、細かいことは、英語読者には全く伝わっていません。 そんな中での気づきは、日本語を母国語とした女性が翻訳している和歌は少なく、英語で現代詩を勉強している、日本人も少ないことです。 和歌の翻訳。 これからも続けていきます。 小倉百人一首 ブログ記事 from Other Gorings On Comments are closed.
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June 2024
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