今回の Working On Gallery のゲストは、Kelsey Zimmerman さんでした。
始めて作品を Indianapolis Review で拝見したとき、「ビジュアル・イレイシャー・ポエトリー (Visual Erasure Poetry) だけど、何かが新しい!」と思って、速攻、雑誌編集長 Natalie Solmer に連絡しました。ナタリーさんとは、アメリカ中西部つながりもあって、親しくさせてもらっています。 「どうやって作品を作ったか過程を教えてくれませんか。」 と、突撃インタビューをすると、断られることも多いですが、ゲストのケルシーさんは、気さくに、詳しく制作過程を教えてくれました。 「やっぱり、新しかった。」 と言うのが、私の感想です。 彼女の作品は、近年(1980年ごろから現在の)ビジュアルポエトリー作品に影響を受けており、自身で撮った写真とコンピューターを使って、Erasure Poetry を作っています。 Erasure Poetry とは、既に出版されている本を土台として、その本から、文章や文字を消去し、自分なりの新しい文章を掘り起こしていく作業です。 そこで大切なのは、原書になる本の選び方です。 原書と、消去した後の文章を比べたときに、「新しい視点」や「面白い定義」ができているかが評価される基準になります。 例えば、Jennifer Sperry Steinorth の作品は、1931年に出版された本が原書として使われています。男性読者専用に書かれた美術書ですが、彼女のすごいところは、絵と共に、その原本の文章や言葉を使って、「女性の声」を開拓しているところです。 ケルシーさんの原書は、”Pandemic”(世界流行の病気)という題で、まさしく、今にピッタリなお題。 しかも、自分で撮った写真を、コンピューター加工しているので、統一感がある美しさが彼女の強み。そこが「新しい」と感じた理由ではないかなと思いました。
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June 2024
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